●13:00〜13:05 開会
始めに、主催者である兵庫県阪神北県民局地域振興部長の和田眞由美氏からセミナー開会にあたっての挨拶が行われました。
●13:05〜13:50 基調講演『里山の変化/薪の利用が里山に与える効果』
兵庫県立人と自然の博物館の服部保氏から日本の里山の変化についての講演が行われました。まずは日本の昔話を話題に挙げ、日本人と里山のつながり、里山の機能がわかりやすく説明されましたた。その後、現在里山が放置されている現状から、それにより生じている問題などが紹介されました。最後に、里山は人が木を使うことによって健全に維持されることが指摘され、兵庫県での具体的な保全活動の様子が説明されました。
●13:50〜14:25 基調講演『火の働きを見直す、火育の取り組み/火のある暮らしのススメ』
大阪ガス株式会社エネルギー・文化研究所の山下満智子氏から、火の働きに関する報告がなされました。映像やスライドを通じて実際の取り組みを紹介されました。また、現代の子供のたちの多くは火と触れ合う機会が少ないこと、実際に火を体験する「火育」の取り組みの大切さが説明されました。さらに、最新の脳科学分野においても、火とのふれあいが脳を活性化することが裏付けられていることも紹介され、身近な生活に火のある暮らしを取り入れることが提案されました。
●14:25〜15:00 休憩・「薪のある暮らし情報提供コーナー」及び各種展示
休憩時間を利用して、会場内に開設された「薪のある暮らし情報提供コーナー」で薪に関する情報提供が行われ、多くの人でにぎわいました。暮らしの中で使える薪に関する道具や薪割機、薪、柴、関連書籍、そして実際の薪ストーブも展示された。薪ストーブへの参加者の関心は高く、専門家に熱心に相談する様子も多く見られました。
●15:00〜17:00 パネルディスカッション・質疑
服部氏、薪ストーブユーザーの加藤昌弘氏、薪ストーブを取り入れた住宅を設計する、株式会社KAN設計事務所代表取締役の高谷敏正氏、薪を販売する仲しいたけ園代表取締役の仲守さん氏、薪ストーブ販売店であるコージーアンドカンパニー代表取締役の酒井毅氏に、コーディネーターとして事務局の松田を加え、パネルディスカッションが行われました。
始めにパネリストから一人ずつ実際にどのような「薪のあるくらし」を行っているのかを写真を見せながら紹介されました。服部氏からは、里山保全のために木の利用を考えることの重要性と、薪ストーブの普及がその解決策の一つになるとことが指摘されました。
その後、話題の中心は薪ストーブの具体的な内容に移り、実際に使った時の楽しさや苦労する点、設置するときの注意などについて、意見交換が行われました。異なる分野からの具体的な話が多く出され、参加者も興味深そうに聞きいっていました。
会場の参加者を交えての質疑応答が行われました。参加者からは、薪ストーブを使いたいが、薪はどのように入手したらいいかなどに関する質問や、「里山の管理時に発生する木を薪として利用することはできないか」など、今後の里山保全につながる具体的な意見も出て、活発な議論が行われました。