●里山
なんとなく懐かしくて、
風景や風の匂いまで感じられそうな言葉です。
でも、実は近年になって使われるようになった言葉なのです。
それも初めは、「里山林」という、薪や炭・落ち葉など
暮らしに活用した林のことを里山と呼んでいましたが、
今では伝統的農業が営まれ、雑木林、田畑、小川、草地、
ため池、屋敷などが混在する場所のことを指し示すようになりました。
そのように、適度に人の手が入った場所は、
動植物にとっても豊かな環境であり、
生き物たちのにぎわいがありました。
人の手を加え、しかも恵みを得ながら、資源を枯渇させることなく
続けられてきた里山の仕組みは、まさに人と自然の共生であり、
次世代の持続可能な社会を築いていく上で重要なモデルとなるでしょう。
●NORAが目指すもの
里山とは、人びとの働きかけを通じてつくり上げられた空間です。人の手を加えて恵みを得ながら、資源を枯渇させることなく持続してきたその仕組みは、持続可能な社会を築いていく上で優れたモデルとなるでしょう。また、そのように人の手が適度に入った里山は、動植物にとっても豊かな環境でもありました。しかし、私たちは高度経済成長を経験し、身近な里山に目を向けることが少なくなりました。
「よこはま里山研究所(通称NORA)」は、その里山の価値をもう一度とらえ直し、地域社会における資源や環境、文化、コミュニティのあり方を見つめる場として注目しています。里山は、かつて経済的な価値があり、さまざまな生業が営まれてきたからこそ維持されてきました。私たちNORAは、かつての里山がそうであったように、里山で業を営むことこそが、里山の保全につながると考えています。NORAは、今は見えなくなってしまっている里山の価値や、まったく新しい里山の価値を掘り起こして『シゴト』にしていくことによって、里山を保全するとともに、人と自然のつながり、自然を介した人と人のつながりを取り戻すことを目指しています。
|