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バイオマスツアー

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中国地方バイオマスツアー 報告

中国地方バイオマスツアー 1日目 日記

2007年9月7日(金)

日記担当:横山

 薪炭庵を7時半頃に出発し、11時に最初の目的地、岡山県真庭市の勝山に到着しました。まずは、勝山の城下町を散策しました。白壁の古い町並みやのれんのかかる町並みなど、城下町の雰囲気の保全に力を入れているようでした。13時からは真庭市役所の方々に、バイオマスタウン真庭の体系の説明をしていただきました。真庭では、行政主導ではなく、地元の経済人の方々が中心となり、ゼロエミッションと町並み保全を核とした地域活性化の取り組みがなされてきたそうです。今では、行政もバイオマスツアーのコーディネートやバイオマスエネルギーに関する学校教育に取り組んでおられ、産官学が一体となってバイオマスタウンのさらなる発展に向けて尽力されています。

 最初の見学地として、銘建工業の本社工場を訪れました。銘建工業では、ペレットの生産から木質バイオマス発電(工場の電力の自給+電力会社への買電)に取り組んでおられ、その施設を見学しました。96、97パーセントは欧州の木材を製材しているそうで、国産材はごくわずかです。

 発電には、プレーナー屑を要として、樹皮も約8パーセント混ぜて使用しているそうです。ペレットは1〜1万5千トン/年の生産力を持ち、大変大規模なものでした。しかし、理想的には、燃料としての利用よりもまずはマテリアルとして利用していくべきだと考えているそうです。

のれんのある風景

 次に訪れたのは、ペレットボイラーを使用した温水プール、温浴施設がある真庭市勝山健康増進施設「水夢」です。ここでは、ペレットボイラー2台で銘建工業のペレットを利用して施設を運営しています。ペレットボイラーは初期設置費用が高いのですが、石油よりも低コストで、9年(実際は補助により6年)で石油ボイラー設置の場合と同じコストになるそうです。


 最後に訪れたのは、国産材を中心に製材している山下木材さんでした。ここでは、乾燥機が14台あり、かんなくずやチップを粉にしたものを燃料としています。深夜になって木質燃料がなくなると、重油に切り替えて乾燥機を動かしているそうです。樹皮は、有料で緑化材料や堆肥の材料として業者に引き取ってもらっているそうでした。

 真庭のバイオマスツアーはこれで終了し、広島県の庄原に移動しました。庄原ではNPO森のバイオマス研究会の方と懇親会を行いました。庄原では、広島県立大の先生や地元の建築士、ストーブを扱っている会社の方、公務員の方などがメンバーで会員130名で活動されているそうです。お互いの活動を紹介した後、今後も連携をとりながら、森林バイオマスの普及啓発に取り組んでいこうと話しました。

薪く炭くKYOTO 中国地方バイオマスツアー 2日目 日記

2007年9月8日(土)

日記担当:土井

 ぐっすり眠ったため、気づいたら出発時刻が迫っていました。バイオマスツアー2日目です。

八谷邸

 午前中は、森のバイオマス研究会の村松さんに、色々案内していただきました。今日は天気もよく、とても涼しかったです。森のバイオマス研究会の事務所で、会の活動を説明していただいた後、森のバイオマス研究会を発足するに至った経緯を知るべく、森を所有している八谷(やたがい)さんのお宅を訪問しました。趣のある立派なお宅は、築350年の古民家で、かわいい猫が入り口で迎えてくれました。かつて、庄原が鑪場で栄えていた話や、松の生産の話など、昔の庄原の話をして下さいました。また、そこはワークショップもされていたのですが、昔の生活を体験したい方がお金を払ってまで山仕事をすることに驚かれていました。また、背景の林業が弱い庄原では、ペレット生産も山の間伐を促すまでにはいかず、活性化に向けた庄原の先が見えない状態で、悩んでいる様子でした。その後、手作りのログハウスも見せていただきました。


森のともだち のんきさんのともだち

 次に美術の先生を退職されて、木材を使用した作品を作り続けている、のんきさんの工房に行きました。家の中にも外にも、あふれんばかりのかわいい作品に私たちは驚いてしまいました。作品は、木をそのままの形で組み合わせていて、のんきさんの想像力に圧倒されました。枝を使用して作られた椅子は、非常に座り心地が良かったです。 自分のエネルギーである「気持ち、頭、腕」を使って自然の命の中で生きてこそ、お金の利潤に頼らない心の潤いが保たれるのだと痛感しました。作品ではなく、作品を作る力を、環境を糧に利潤を追求する暮らしではなく、自然と繋がった暮らしの提案をされている様子を見て、自分が自然と向き合って生きているかということ考えさせられました。


 次に、三次市で、新しい炭の焼き方を研究されている梶川さんのお宅にお邪魔しました。自宅の庭でも、2m×2mの場所があれば、自分で炭を焼けるというものでした。その技術はすごかったのですが、果たして作られた炭が一般家庭で何処まで使用されるのかという疑問が残りました。まだ研究段階だそうで、これからの私たちの薪炭利用の意識の高まりによっては、凄い発明になると思いました。

宮島のある風景

 午後は広島に向かい、宮島に行きました。緑の山に、真っ赤な鳥居が日の光を浴びて気持ちよさそうに水に足をつけていました。裸足で水に入ったり、砂浜で騒いでいる人もいて、私まで楽しくなっていました。シカに服を食べられそうになるハプニングもありましたが、いろんな味の紅葉まんじゅうも買うことが出来たので、大満足です。


 夜ご飯は広島焼きを食べに行きました。すごい量でびっくりしました。今は、宿舎で、デザートを食べて大満足しているところです。今日も1日楽しむことが出来ました。

薪く炭くKYOTO 中国地方バイオマスツアー 3日目 日記

2007年9月9日(日)

日記担当:??

 今日は本当に長い1日でした。というのも、夜中2時20分頃に暑くて目が覚めてしまい、トイレに行こうと部屋の外に出たら閉め出されたところから1 日が始まるからです。二段ベッドの上側だったこともあって、少しでも涼しい場所をと思い、宿の1階にある談話室で休むことにしました。

 ウトウト眠っていると、原爆ドームを見に行ったという日本人1、イタリア人1、スペイン人2(バスク人)の男性4人が帰ってきたところに偶然出くわしました。外国人の多い宿ではありがちかもしれませんが、なぜか折り鶴や入れ墨の意味、日本人のルーツなどを聞かれました。初めてバスク語の会話を聞いて、日本語に近いという「うわさ」がまったく的はずれなことを知りました。ちなみに、イタリア人とスペイン人の会話は英語です。

 4時くらいまでうだうだしゃべってから7時30分頃まで寝て、ようやく本格的な1日のスタートです。まずは土井さんを広島駅へ送ってからロイヤルホストで朝食をとり、深谷峡温泉清流の郷へ向かいました。道中はずっと寝ていたのですが、広島市内から次第に山の方へ入っていく感じです。

深谷峡ペレットボイラー

 温泉は日帰り客が近隣からやってくる場所で、ペレットボイラーを林野庁の林業・木材産業構造改革事業を受けて設置しています。当初は銘建工業から購入していたペレットは、山口県の森林組合連合会の工場ができてから持ってきてもらうようになっています(35円/kg)。山口県では行政が中心となってペレットの需要と供給の両面を整備しようとしたのではと想像されます。せっかくだから温泉に入ってから昼食をとり、下関市へ向かう途中に同じくペレットボイラーを導入している錦パレスホテルに立ち寄ってちょこっと話を聞きました。

秋吉台

 ここまででツアーの見学は終わり、観光もしようといって秋吉台、壇ノ浦、赤間神社へ行きました。特に秋吉台の景観は見事というほかなく、草地の広がりは日本とは思えないほどでした。


炉端焼

 18時頃にホテルに到着し、しばらく休んでから夕食に行きました。「炉端焼き」というと、個人的には高級なイメージがあったのですが、繁華街のはじっこに雰囲気の良い店を発見しました。料理はどれもめちゃめちゃおいしく、初めてだった齋藤さんにとって印象的でみんな大満足でした。村田さんと寺尾さんがヒートアップする場面もあったりして…。


 21時30分頃には松田さんがホテルで合流し、今度は居酒屋へ2度目の夕食へ行きました。私はおなかいっぱいで何も食べなかったのですが、みなさんはさらに料理を注文していました。「お二人はまだまだ若い!」と強く感じたエピソードです。

薪く炭くKYOTO 中国地方バイオマスツアー 4日目 日記

2007年9月10日(月)

日記担当:齊藤

えこタウン

 バイオマスツアー4日目、朝は昨晩合流した松田さんとそろって寝坊してしまい、出発を30分遅らせてしまうという大失敗から始まりました(皆さんゴメンナサイ…)。朝一番の見学地は安岡エコタウンでした。こちらは近代的なデザインの集合住宅や戸建ての住宅が並んでおり、入居者用の菜園もあります。朝早くから担当してくださった安成工務店の宮崎さんの案内で、各住宅の冷暖房をまかなうペレットボイラーを見せていただきました。ペレット燃料で冷房までまかなうのはなかなか大変だというお話でしたが、住宅の方も高気密・高断熱住宅にして、空調に使うエネルギーが少なくてすむように工夫しておられるそうです。ちなみにこの住宅の内装はほとんど木を使っており、暖かくてずっと住みたいと思うようなお宅でした。


山口県林業指導センター

 午後には、山口県の林業指導センターにお邪魔しました。こちらもペレットを燃やして館内の冷暖房に使っておられます。空調が効いた会議室で、山口県のバイオマス利用全般についてと、林業指導センターの取り組みについて伺いました。山口県は地域産業として、バイオマス利用にとても力を入れているそうで、未利用の間伐材や竹などのバイオマスが年間12万トンほど供給可能だと推定されています。こちらでは、ペレットボイラーと、ペレットボイラーと連動した冷房装置を見学させていただくことができました。山口県がこんなに計画的にバイオマス利用に取り組んでいることは知らなかったので大変驚きましたが、将来的に森林資源が豊富な山口県の強みになる可能性を見込んでのことかもしれないと思いました。


夕方、岩国にある最後の見学地に到着し、中外炉工業さんの取り組みによるガス化発電設備を見学させていただきました。まだ試験運転の段階だそう ですが、一台のガス化発電機で、近接する福祉施設に電力と熱を供給しているそうです。担当の平田さんは発電設備の各装置についてとても詳しく説明してくださり、中外炉が開発した発電設備のどこが新しいのか、またこれから改善していくべき点は何かなどを話してくださいました。ガス化発電がペレットボイラーと比べて便利な点は、小型化したときに効率が良い点だということです。バイオマス利用の手段はいろいろありますが、それぞれの利点を理解して使い分けられるようになればいいと思います。

 岩国駅ちかくのホテルに着いた後、最後の夜ということで飲みに行きました(昨日も飲んだけど)。お酒の種類が豊富で(100種以上!)、小イワシのお刺身がとても美味しい店でした。せっかくだから焼酎を飲みたかったのですが、ビールだけで酔いが回ってしまい断念です。早いもので、明日が最終日。あっという間の旅でした。