- 木質バイオマスとは
- 木質ボイラーとは
- バイオマスタウンとは
- コジェネとは
- スターリングエンジンとは
木質バイオマスとは
バイオマスという言葉は、最近、新聞などでもよく見るようになりました。定義をすれば「再生可能な生物由来の資源」ということになります。もみ殻や稲わら、雑草、人や動物の排泄物などもみんなバイオマスの仲間。そうしたさまざまな種類がある中で、森林や樹木に由来するのが『木質バイオマス』と呼ばれるものです。
切り落とされた木の枝やおが屑など、これまでは捨てられていたものも少なくありませんが、燃料として使えば、お湯を沸かしたり、部屋を暖めたりすることはもちろん、電気を作り出すこともできるスグレもの。木質バイオマスをもっと有効に活用し、広く役立てようとする動きは静かに、そして確実に広がっています。
木質バイオマスの種類
薪、木炭、チップ、おが屑、樹皮、剪定した街路樹の枝、建築廃材、落葉・・・と、顔ぶれは多彩。ペレットものような新しいタイプの木質バイオマスもあります。
木質バイオマスが注目されるのはなぜ?
地球温暖化の防止に役立ちます
石油などの化石燃料を燃やすと出る二酸化炭素は、地球温暖化の大きな要因。木質バイオマスも燃やすと二酸化炭素は出ますが、成長時に二酸化炭素を吸収するため、大気中の二酸化炭素の総量は増えません。
資源の再生が可能です
化石燃料とは違い、木は、切って使っても、植林をすれば数年から数十年で再生することが可能です
資源の有効活用を促します
これまでは有効な利用法がなく捨てられていた廃材なども、有益な資源としてよみがえります。
森林の再生につながります
手入れが行き届かず、放置されている森林が全国にありますが、木の用途が広がれば森林の整備も進むことになるはずです。
エネルギー自給率がアップします
エネルギー需要のほとんどを、海外から輸入する化石燃料でまかなう現状が改善され、リスクの分散にもつながります。
地域に元気を生み出します
木質バイオマスの利用が進めば、新たな産業と雇用が生まれ、地域の社会と経済が活性化します。
木質ボイラーとは
木質ボイラーとは、薪やチップ、木質ペレットなどの木質バイオマスを燃やし、蒸気や温水を作りだし、熱や電気を得る装置です。得られた熱は、給湯や加温、冷暖房に利用できます。また電気は、燃料の送り出しなどの木質ボイラー自身を動かすために必要な電気として使うことができ、木質以外の燃料を一切必要としない、自立型のシステムを組むことができます。
また、一箇所で集中して熱を作り出すことで、地中のパイプラインを通じて電気やガスのように地域の各家庭へ効率よく熱や湯を供給することができます。
既に欧米では普及していますが、日本でも保育園や中学校の床暖房、老人ホームや温泉、温水プールでの給湯、しいたけやいちごのハウス栽培に使われるなど、現在急速に広がっています。
【木質資源のフロー図(木→燃焼→蒸気・熱→施設など】
快適な室内環境づくり
温水ヒーターや床暖房により、空気を汚さずに輻射熱の心地よい暖かさを生み出し、快適な空間を作ることができます。
操作がかんたん
サイロに燃料を供給しておけば燃料を自動供給でき、スイッチで簡単にコントロールできます。
原料を選ばない
木質燃料の水分や形状が不均質でも比較的安定して燃えやすく、身近に発生する木質資源をエネルギーとして活用できます。
低コストを実現
剪定枝や製材端材などが発生する場所であれば、それらを燃やすことで処理費用を削減できます。また、設置場所や状況によっては、重油よりも低コストを実現できます。
バイオマスタウンとは
地域循環型社会を目指し、農林水産省が市町村に対して募集している、バイオマスの利活用に取り組む地域のことを指します。バイオマスタウンでは、市町村が中心となって地域のバイオマス利活用の全体プランである「バイオマスタウン構想」を策定し、情報を共有します。
平成18年に「バイオマス・ニッポン総合戦略」が閣議決定され、その中でバイオマスタウン構築の加速化が主要な政策として位置づけられました。
平成22年で300市町村を目標としており、既にバイオマスタウン構想を公表している市町村数は、平成20年6月30日現在で151です。
バイオマスタウンの構築を進めるため、さまざまなアドバイスや関係者をコーディネートするなど、現場で動くことのできるトップレベルの人材の育成を目的として、社団法人日本有機資源協会により人材育成が行われています。
研修修了者は、バイオマスタウンアドバイザーとして、バイオマスタウン構想作成の支援、バイオマス関連の事業化の支援、バイオマス利活用の支援(シンポジウム等の講師、資料作成など)をしています。
weinのメンバーのうち3名は、このバイオマスタウンアドバイザーとして活躍しています。
コジェネとは
コージェネレーション(Co「ともに」Generation「発生する」)の略です。
エンジンの排熱を利用して動力・温熱・冷熱を取り出し、全体でのエネルギー効率を高めるシステムです。
木質バイオマスを燃やして蒸気を発生させたり、ガス化させてタービンを回して発電させるときに、発生している熱も利用することで、効率よくエネルギーを取り出すことができます。製材所で発生する端材処理の活用方法として、日本でも既に利用が広がっています。
スターリングエンジンとは
気体を暖めると膨張し、冷やすと収縮する特性を生かし、シリンダー内の気体を外側から交互に連続して過熱・冷却することで動く外燃機関です。木質バイオマスを燃やして得られる熱エネルギーでスターリングエンジンを動かし、発電することができます。
1816年に発明されたものの、影を潜めていましたが、クリーンなエネルギーとして現在再び注目されており、日本でも実証実験が進んでいます。
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