バイオマスの森の活用法を考えるワークショップ
(2003年12月4日, 島田俊平)
12月4日、雲ヶ畑の久保さん(薪く炭く会員)に、薪く炭くの活動に使って下さいと提供 していただいている山(以下、バイオマスの森)の活用法を皆で考えるワークショップを開きました。
バイオマスの森は京都市北区雲ヶ畑にある約5haの山です。5年ほど前に皆伐した跡地に、ヒノキ、スギが一部植えられていますが、裸地や雑草地が大きな面積を占めています。この山に、10年後、20年後はたまた100年後に「望ましい森林」を創るべく、前進します。この「望ましい森林」とはどのようなものなのでしょうか。今回のワークショップでは、 これまでの調査結果(2003年7月14日、8月25日実施)を元に、以下の3つのステップに分けてディスカッションをしました。
- 《STEP1》 10年後20年後・・・100年後、どのような森林になって欲しいですか?
- 四季を楽しめる、多様な生物が生育できるということで広葉樹主体の森林を望む声が多く聞かれましたが、同時に用材生産のためのスギやヒノキの森林も欠かせないという声も少なくありませんでした。また、尾根にアカマツ林を維持してマツタケ生産を、という意見もちらほら。全体的な傾向としては、「多様な樹種」、「多様な施業」、「多様な利用」、「豊かな生態系の創造」ということになるでしょう。また、「バイオマス利用について学べる森」、「マチとヤマを結びつけることが出来る森」というのも参加者の多くがうなずいた意見でした。
- 《STEP2》 この森林を育て、利用するうえで、どんな主義、ポリシーを持つべきでしょうか?
- 順応的管理をする(計画を随時見直す)こと、長期的な視野を持って森林整備を行うこと、生態系に配慮すること、一定のルールのもと多様な人の参加により森林整備をおこなうこと、情報公開をすること、という意見が多くの参加者から聞かれました。また、地域の意見を聞くこと、森林所有者である久保さんと十分に話し合うこと、というのも心に留めておくべきことですね。
- 《STEP3》 この森林を育てる過程で、どんなことをしてみたいですか?
- アグロフォレストリー、鳥散布による天然更新、伏せ焼き法による植栽、小屋づくり、看板づくり、解説パネルづくり、ドングリによる苗木づくり、ツリーハウス、植生調査、縦横断測量・・・様々な意見が出されました。それでは、何から手を付けるべきかということですが、何をするにしても次の2点、
- より詳細な植生調査・地形調査
- 上記案についての事前勉強(EX.「伏せ焼き法」の資料を集める。樹種ごとの最適植栽時季について調べる。)
が欠かせないのではないかというコンセンサスを得ました。
第2回バイオマスの森ワークショップを2004年1月に予定しています。
話し合う内容は、
- プロジェクト及びバイオマスの森(仮称)の正式名称について
- 整備・活用のコンセプトについて(わかりやすく簡潔な言葉で表現できるよう)
- 勉強会 (鳥散布による天然更新、伏せ焼き法による植栽、雲ヶ畑の鳥類、縦横断測量の4テーマ)
です。