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長治林業(薪製造所)
長治林業 長さんへのインタビュー
7月29日、薪の製造販売をしているという、長治林業の代表取締役、長正博さん宅にお邪魔してインタビューをさせてもらいました。参加者は、園田・白石・松田・成田・倉田の5名でした。長治林業は、従業員が7人で、主に北山杉の伐採搬出を行っていて、最近では育林、庭園の大木の伐採なども請け負っていらっしゃるそうです。薪の製造販売は、10年前くらいに手の空いたときにやってみたら、意外と需要があったので、続けているということです。最近は薪ストーブにより需要が伸びているそうです。ほとんど儲けはなく、やらないよりはましくらいのものらしいのですが、バイオマスの有効利用ということで、これからも続けていかれるようです。以下、インタビューの内容を箇条書きで記します。
- 薪の製造はお父さんの代がこの長治林業を始めたころからしていた(50年前くらい)。
- 原木は、以前は新規植栽地に元から生えていた広葉樹を使っていた。
- 現在原木は、庭園の大木や、知り合いに分けてもらったり、関電の高圧線下で成長しすぎて伐られたりしたものをもらったり、すごく安い値段で買い取ったりしている。
- 値段は、クヌギ・コナラなどの上 1束400円,それ以外の広葉樹 並 1束350円。
- 上と並では、7:3くらいの割合で作っている。
- 需要先は、以前は染物屋があったが、数年前から一時休業している。今は、一軒のピザ屋を除き、薪ストーブの業者と薪ストーブ利用者個人である。
- 今期では、4000束の需要を見込んでいる(去年は3500束くらいであった)。
- 3年ほど前から、五山の妙法の薪も請け負っている。これは、松の薪で年間300束 1束1000円で販売している。
- 薪割り機は、15tのものを15万で手に入れた。
- 素性のよい木なら機械より手で割ったほうが早い。
- 一日に25束程度作ることができる。
- 乾燥は、1年から3ヶ月、暇なときにやっているのでなかなか追いつかない。生木のときに割らないと割りにくい。
- 結束は、ナイロンの紐(安いから)。
- 1束の長さは普通が40p(薪ストーブに入らないため30cmにするところもある)。松の薪は48p。
- 一周は2尺5寸。
- 薪は、全売り上げの20分の1くらい。仕事量としてはそれ以上。これから、薪や炭といった木質バイオマスを普及させていくにはどうすればいいか?
- 供給側としては、これ以上安くできない、限界のところで供給しても、買い手の側から見たらやはり高い。それは、石油があまりにも安いから。儲けようと思ったら無理。
- 杉も薪になればいいのに。皮を剥いて乾燥した杉なら、薪としての価値はある。
- 杉の薪は、山に取りに来てくれるのなら、いくらでも提供する。
- 杉の薪について、どうせお金になるものではないのだから、山主側が労力を提供しなくても良いものなら、提供してもよい。これからは、燃料を取りに来るようにすればいいのでは。
といった感じだった。まきを商売としてやっていくのは、結構大変だし、原木の確保も大変だなぁと思った。けれど、林業も低迷していて、雑木林を残そうというような動きもある。薪ストーブも売れているみたいで、薪の需要も高まりつつある。針葉樹も薪として使えるようにする技術の開発が大事だなぁと思った。これからは、薪の利用者が薪を作るというのも大事だと思うし、石油や他の燃料との値段の調整も大事だと思う。