薪く炭くKYOTO 第12回勉強会
「豊かな森へ 〜森林バイオマス利用と森の取り扱い方〜」報告
- 内容
- 森林バイオマスの利用と森の取り扱い方
- 講師
- 神崎康一氏(京都大学名誉教授)
- 日時
- 2003年10月29日(水)19時〜21時
- 場所
- 「 ひと・まち交流館 京都 」・第4会議室
- 参加者
- 36名 (スタッフ込)
- 案内文
-
森林バイオマスの普及啓発と利用促進を目標に、昨年の6月より活動を始めた薪く炭くKYOTO(しんくたんくきょうと)では、第12回の勉強会として神崎康一先生(京都大学名誉教授)をお招きして、林業工学の立場から、バイオマス利用の方法と森林の取り扱い方についてお話していただきます。
神崎先生は京都大学農学部で森林生産システムの研究に取り組んでこられました。
今回は「豊かな森」へと題して森林バイオマスの利用方法の様々な方法と、その実現のために森林はどのように取り扱えばいいのかということに関して語っていただきます。
多くの皆さまのご参加をお待ちしております。
概要報告
第12回の勉強会は「豊かな森へ」と題しまして京都大学名誉教授の神崎康一先生をお招きし、過去最高の36名の参加者を集めて無事終了しました。
お話はまず、森林資源が本当に再生可能か?という問いかけから始まりました。
とくに日本では管理費と収益のバランスが崩壊しており、再造林が経済的に不可能になり放置伐採地が増加しているとのこと。
この状況から脱出するには「商業主義から林業フィロソフィー」への転換が必要だと神埼先生は強調されていました。
その具体的方策として、ヨーロッパ型の「照査法」を丁寧に紹介してくださいました。
毎年(利用)間伐を繰り返しながら、大径木から小径木までを含む複層林に誘導する方法です。
また豊富な写真とともに、林業機械の導入、高密度路網の整備など林業における構造改革の具体的方策を提示していただきました。
その後お話しは木質バイオマスのエネルギー利用から、ノルウェーの都市でのCO2収支の計算へと続きました。
発表内容はとても盛りだくさんで、時間ぎりぎりまで熱心に質疑応答は続きました。
「豊かな森」を造ることこそが基本であり、そのことかがバイオマスエネルギーの利用促進、林業の復興への確かな道であるとの認識を新たにした勉強会でした。
神崎先生にはお忙しい中たっぷりのスライドを作っていただき、ありがとうございました。
また先生にはこれを機会に当会にも入会いただきました。
今後もご指導のほどよろしくお願いします。
(相川)
薪く炭くKYOTO 第12回勉強会
「豊かな森へ 〜森林バイオマス利用と森の取り扱い方〜」
アンケート結果
(回答数 31)
- 年齢
- 10代 (3人)
- 20代 (15人)
- 30代 (5人)
- 40代 (2人)
- 50代 (3人)
- 60代 (3人)
- 所属
- 会員 (17人)
- 会員外 (14人)
[内訳: 滋賀県湖東地域振興局,
京都府立大学,
サン・フォレスター,
大阪府立大学,
大阪大学,
京大農学部 など]
- 開催時間について(複数回答あり)
- ちょうどよい (24人)
- ちょっと遅すぎる (1人)
- 遅すぎる (2人)
- 休日の夜もよい (1人)
- 休日の昼もよい (1人)
- 記入なし (4人)
- 開催場所について
- よい (18人)
- 若干不便 (1人)
- 不便 (3人)
[理由: 私の家からは単純に遠い,
少しとおい,
市営地下鉄の利用ができる範囲]
- 会場の候補
- 北文化会館か北区青年の家
- 上京区,中京区あたりで.
- 北大路タウン内の?,ウイングス
- 記入なし (9人)
- 勉強会の案内をどこで知りましたか?
- 会からの案内 (7人)
- 友人から (8人)
- メーリングリスト (12人)
[内訳:薪く炭くKYOTO (5人),
杉良太郎 (2人),
バイオマスエネルギー (2人),
森林発電プロジェクト (1人),
神大農学部 (1人),
サークル (1人)]
- ポスター (1人)
[内訳:学内]
- 記入なし (3人)
- 当会の活動については,どこでいつごろ知りましたか?
- どこで
- 立ち上げ当初から (3人)
- 会員から (12人)
- インターネット (1人)
- ポスター (1人)
- 勉強会 (4人)
- そのほか (5人)
[内訳: 雲ヶ畑森林組合,勧業館イベント,
授業で,
忘れました,
全国雑木林会議,
シンポジウム?]
- 記入なし (4人)
-
いつごろ
- わすれた
- サークル入会時
- 2002年6月
- H14秋
- 1年前
- 今年2月
- 5月頃
- 3ヶ月ぐらい前
- 1ヶ月程前
- 前回の勉強会
- 今年10月上旬
- H15.10頃
- 10月初め.
- 3週間ほど前
- 最近
- 今回
- 本日の勉強会の感想,要望等をお書きください.
- 専門的な説明であったが,わかりやすくてとてもためになりました.
- アカデミックな研究と実際の木材の流通(私自身は材木屋ですので)とのコミュニケーションが(交流が)全くないに等しいことがよくわかりました. 反省点です. 流通のために日本の木が高くなっているということではないと. 先生がおっしゃったように外材があまりに多く使われているのが問題ですね.
- 盛りたくさんの内容で大満足です.
- 森林バイオマスについて. 山側の事情から機械の
- 照査法は初めて聞きました. もう少し具体的に(選木の方法など)知りたかったです. バイオマス利用については,ヨーロッパでは燃焼機器の開発が進んでいるのだと思った.計算もおもしろかった.
- バイオマスエネルギーをこれから使う上で,林業をうまくまわしていくことが重要だといことが分かった.そして,人が今の自分たちの住む世界を守るために,必要なことについて知識を得て,行動していければよいと思う. 商業的要素も大事だが,それに対する人々の理解しようとする心がないとことは進まないと思う.
- 森林以外のバイオマスの利用と技術動向,社会環境整備の方向など,テーマは沢山あると思う.
- バイオマス⇒持続可能が当たり前だと思っていましたが,そんなに簡単ではないと知りました. ビオトープの保護など,生態系を全て含めた一回り広い視点で森林とバイオマスについて考えることができました.
- 森林バイオマス利用で冷房が出来ることが分かった. スターリングエンジンというなつかしいもので利用できることを思い出した.
- 生産の面ではコストの削減,利用の面では効率の向上が必要でありながら,一方で生態系やCO2の削減にも努力しなくてはならない. 難しいなあ. これら(生態系やCO2の削減)を成立させることにもっと付加価値をつける必要があると感じた.
- とても興味深い内容だった. 次回も参加したいと思います.
- 大変良かった
- 日本の林業の現状の分析,木材利用の促進 - ソフト面,ハード面,森林の成長サイクルと時代のサイクルがうまくかみ合わないのか?
- 勉強になりました.
- 充実した2時間でした. わからない話もありましたが参考になりました.
- 照査法に興味があったので話が聞けて良かったです.日本で行われている照査法をもう少し具体的に知りたかったです.
- おはなしの内容が盛り沢山でおもしろかった. 次回も楽しみにしています.
- 面白かったです.
- とても面白く,興味深かったです. 会員になって初の参加でした...これからも時間を見つけて参加したいです.
- 林業工学の立場から,どう効率よく収集していくか,という話は参考になりました.
- 発電機械などが色々な種類が分かりやすく説明してもらえておもしろかったです.
- バイオマスによるボイラーの話は初めて聞いたので勉強になりました. 燻煙感想の話もおもしろかったです.
- 熱エネルギー源としての木質バイオマスの効率,コスト,CO2排出量が,他の天然ガスや石油等と比較されていたが,こうした比較はバイオマスを広めるために,わかりやすく説明されれば有効ではないだろうか? スターリングエンジン等,知らない事がまだまだ多いです.
- 森林バイオマスに関して,今後勉強してみたいテーマや話を聞いてみたい人などありましたら,ご自由にご記入ください.
- スターリングエンジン (2人)
- 木材の端材や建設廃材の木炭化
- 木炭自動車を作っている所を教えて下さい
- 木材流通関係者
- ケナフの話 稲垣先生
- 森林利用について
- バイオマスってまだよくわからないので,具体的にイメージできる日本語はないのかなあ?って事を考えてみたい.
- 森林関係の法律,補助金について. バイオマス利用,間伐促進,よりよい林業をめざす上どの現状の問題点? を知りたいです.
- CDM
- 都市と山村との未来の関係,共生の展望….
- 街路樹等のせんてい木を集めてバイオマス利用に活かそうと,造園業者達+バイオマス機器関連企業が取り組んでいるとHPで拝見しました.そのような所の話を聞いてみたいです.
- 木造建築について.
- 薪く炭くの活動についてご意見ありましたら,お願いします.
- チップストーブや薪ストーブで京都市内の都市部(住宅密集地)でも使えるボイラー等をどこで手に入るか教えて下さい.使いたいので.
- すそをひろげましょう!!
- この会に入会した理由,きっかけ,期待するもの等について,出席された方々にもアンケートをとり,データーの整理されたものを見たい.どのような年齢相の方が,どのようなことで関心をもたれているのか知りたい.
- ありがとうございました. 頑張って下さい.