勉強会・サロン
薪く炭くKYOTO 第36回勉強会
『地域に根ざした森林バイオマス利用の取り組み』報告
- 開催日時
- 2007年7月20日(木)19時〜21時
- 場所
- 「府庁NPOパートナーシップセンター」
- 京都府庁 旧本館(京都市上京区下立売通新町西入藪ノ内町)
- 講師
- 酒井 章博さん(NPO法人 静岡森林エネルギー研究会 専務理事)
- 内容
- 木炭自動車「もくもく天竜号」
- メロン農家でのペレットボイラー利用とペレットの製造
- 井川ダム流木チップの利用プラン
- バイオマスタウン構想
- NPO法人静岡バイオマス利活用推進協議会 など
- 参加者
- 会員9名、一般参加5名
- 案内文
-
森林バイオマスの普及啓発と利用促進を目標に、平成14年6月より活動を始めた薪く炭くKYOTO(しんくたんくきょうと)では、第36回勉強会として、静岡森林エネルギー研究会・酒井章博氏より、静岡での森林バイオマス利用の取り組みについてお話ししていただきます。
酒井さんの発表に対しての質疑応答
- Q ペレット工場を作るのに支障になっていることは?
- -A 原料が無いこと。チップの価格が値上がりしている。今は、プレカット工場の木屑に注目している。
- Q A重油とペレットのコスト比較は?燃焼効率はどう違うか。
- -A だいたい、重油1リットルに対してペレット2kgが同じカロリー
- Q 山の木が余っているのなら、それを使ったらいいのでは?
- -A 本当はそうしたいが、搬出コストが膨大に掛かるので、難しい。
- Q では、住宅産業などを応援するだけで山に対しては傍観になるのか?
- -A やはり、林産業を応援し、製材廃材をバイオマスに利用するのが効率がよい。静岡は家具が盛んなので、「住宅・家具・割り箸・バイオマス」の順に活性化していきたい。ダムの流木をチップ化したものが使われていないので、これをペレットの原料に考えている。
- Q 他府県のダムの流木はどう利用しているか?
- -A 新潟県のアグリパワーではペレットを作っている。
- Q 流木は水分が多いのでペレットにするのは難しいのでは?
- -A 乾燥の工程があるので使える。引き上げてから自然乾燥をする。今は乾燥のエネルギーがもったいないので、乾燥機ではなく攪拌によって乾燥させるペレット製造機がある。
- Q 最近、世界的に木材チップの需給構造が変化している。紙用のチップは主にオーストラリアから輸入しているが、その価格が高騰しているので、国産の針葉樹丸太も原料として買われている。この状況を含んで考えた方がよいのでは。
- -A その通り。最近チップ業者や製材業者が少し元気だ。
- Q 現在は中国への古紙や廃プラの輸出が多いが、それを地域で使えないか?
- -A 去年の秋くらいから状況が変わりだした。行政は相変わらずだが、業者から(バイオマスが使えないかという)声がかかり始めた。
- Q ペレットボイラーをハウスに使うときに手間は掛からないか?ペレット以外の木質燃料は使えないか?
- -A 温室メロンのハウスには、温風式と温湯式がある。温湯式のペレットボイラーには、メコン・ニコン・金子農機・真庭の業者があるが、温風式はメコンしかない。静岡の温室メロンは温湯式を使っている。地元の業者として、ニコンのボイラーを使うことは決まっていた。メロン農家はスペースがないのでペレットを採用したが、チップや丸太でも使える。丸太は金子農機のガス化するものがある。
- **関連サイト**
- 知ろう使おう バイオマスWEB http://www.shizuoka-biomassweb.jp/
アンケート結果
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- 静岡森林エネルギー研究会の活動を知り、規模の大きさにおどろき、すごい!と思いました。
- 静岡での具体的な事例をもとに、ペレットの利用にすいてよい議論ができたと思います。ありがとうございました。
- 最近の事情が分かり良かった。
- 初めて知る燃料であった。「新鮮」
- 木炭自動車の話聞きに来ました。取り組みが楽しみながらで面白かったです。
- まだ計画段階のプロジェクトが多い印象はありますが、酒井さんのおかげで実現の方向に向かっている気がしました。行政のバックアップを受けながら、部署ごとの縦割り構造を乗り越えればバイオマスがもっと使われる状況が生まれてくるはずです。今後の活動に期待するとともに協力していきたいと思いました。
- もくもく天竜号に興味があって参加しましたが、幅広い内容について現場での最新の状況をお話いただき、大変勉強になりました。有難うございました。バイオマス情報プラットホームのお話にも興味を持ちました。
- 今後勉強してみたいテーマや話を聞いてみたいという人などありましたら、ご自由にお書き下さい。
- 京都府内の取り組み
- 竹のバイオマス利用について
- 戦前戦中に使われていた「木炭バス」について
- 森林以外のバイオマスについて富山県立植物園長
- 竹の専門家
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- このような勉強会を企画されていることを知らなかったので、本日ありがたかったです。このような地道な活動に拍手。