2008年11月23日(日)
木質チップボイラー(2基)
↑木質チップのサイロ
↑2基並んだ木質チップボイラー
↑容器に入った焼却灰
上勝町というと「葉っぱビジネス」を展開する第三セクターの「いろどり」とゼロウェイストが有名だが、今回は木質チップボイラー(オーストリアのPOLYTECHNIK社製)を導入した月ヶ谷温泉を見学した。環境省の支援を受けて(2004〜2006年の3か年事業、他に島根県出雲市など全国で19地域を指定)、木質チップを利用するためのサイロやボイラーなどが導入された。
原料(製材廃材など)は第三セクターの「もくさん」から仕入れており、金額は16円/kgで、あえてやや高い設定をしている。 使用量は1 日約1 トンで、メインテナンスを除いて24時間稼働しているとのことから、年間600万円近くかかっている。もらった資料によると、温泉の木質バイオマス燃料の必要量が約630 トンとされているので、予想より少なかったようだ。
ボイラーでは冷泉を80℃まで温めてお湯を供給すると同時に、ダクトに温風を引き込んで館内の暖房に利用している。重油との価格差は2005 年時点で700 万円と試算されていたらしいが、資料にはチップが11 円/kg と書かれていることから、さらに大きいかもしれない。灰は1か月に容器1杯分になり、全量が農家への譲渡、藍染め業者へ販売されているため廃棄されることはない。
注目されているおかげか、上勝町は人口2,000人に対して年間4,500人も視察で来訪していると聞きました。個人的には地域資源の利用に興味があるので、交流人口が増えることについては望ましいと考えています。こうした好循環を軌道に乗せるまでには相当苦労があったでしょうし、関係者の努力には頭が下がります。今後は、さらに過疎化が進んだときに仕組みをどのように維持するか課題となりそうです。