↑(株)松本製材
↑聞き取り調査中
松本製材では、立木買付を行った材を製材している。昔は、製材所勤務の伐採班や周辺の製材所の数もたくさんあったが、木材産業の不振の中、\なくなっているそうである。また、森林組合の人件費は高く、遠いところから人を雇って、伐採搬出作業を行うときもあるそうだ。昔は、地元の有名な産物のお茶の生産(4〜8月が大忙し)が終わった9月頃に1年分ぐらいの大量の木材を一挙に伐っていたそうである。
さて、製材で出る森林バイオマスであるが、スギ背板は製紙用にチップ業者へ、ヒノキ背板はうどんやラーメンのための箱を作る箱屋さんが買って行く。価格は、8t車1台で4000円である。背板の需要は多く、取り合いになっているほどだそうだ。おが粉は、養豚場などの家畜の敷き料や堆肥に利用されており、価格は4t車1台で13000円である。地元の製紙業者の需要も大きいようで、ここから出る製材くずは余すことなく利用されている印象を受けた。この周辺で、ペレット生産を行う計画が進められているが、1ヶ所だけの製材くずの量では不十分で、もう1件の製材所と本川根町森林組合の計3ヵ所から出るおが粉などを利用する計画である。この周辺でペレットを供給できる場所がないため、ペレットを利用する動きを進める上で障害となっている。松本製材さんの話では、ペレット生産へ意欲を持っていらっしゃるようであった。地元の行政の支援も期待されるところである。
昔は、背板やおが粉だけで松本製材の従業員の給料が出るほど、バイオマスの価値が高く、利用が盛んだったそうだ。今では、上手く知恵をしぼらないとただのごみ同然になってしまう。きれいな木の肌やおが粉などの山を見ていると、せっかく自然からもらった資源なのだから、有効に使いたいなと思う。