↑田中さんと
手づくりの炭窯
↑できあがった竹炭
竹仁さんは元々会社員だったが、転職をして竹炭の炭焼きに専念するようになった。初めのうちは土窯で炭を焼いていたが、出し入れの不便さから自ら金属製の窯を設計した。その巨大な窯は、幅3m、高さ1.8m、奥行き4mもある。竹を切らずにそのまま入れて焼くことができるため、コストの削減に繋がる。焼きあがった炭は、上から踏んで細かくする。一度に3立米(600〜700kg)の炭をつくることができ、4t車にちょうど良い量である。
炭の用途は、調湿用から豚の餌用まで幅広い。調湿用の炭は、主に床下に敷いて利用するもので、焼く際にはそこまで高温にしてもいけなく、その加減が難しいそうだ。また、炭を3mm以下の細かいパウダー状にして木酢液を染み込ませ、豚の餌に混ぜれば、豚の糞尿から作られる堆肥が醗酵しやすくなり、豚のコレステロール値が下がる効果があるとのことである。こうして、竹仁さんの炭の販売先は、個人・家庭から農家・工務店まで幅広くなっている。
炭の原料となる竹は、公共工事などで発生する竹を買い取ったものである。竹林の拡大問題を危惧し、近所のおじいちゃんたちから竹を買ったこともあるそうだが、買い取り量の目安などがなかなか難しく、現在は行っていない。
インターネットでも販売しているが、生産に対して営業活動が追いつかないという課題を抱えている。
インターネット上では全国の炭の生産者が出店しており、また安価な輸入製品も出回っているため、これからは独自の特徴を出さないと、炭単体として販売していくことはなかなか難しいそうである。竹仁さんは、これまでの国内の生産者は努力が足りなかったと感じられており、なるべく輸入製品と同等の値段で販売するよう努めている(約500円/kg)。他分野の方と連携した、新たな用途開発に期待したい。