薪炭利用調査レポート
イル・パッパラルド(薪窯ピッツァ)
調査メンバー:倉田、山本、舞鶴、横山
報告者:横山・倉田
10月17日、薪炭グルメ調査の第一弾として「薪で焼くピッツァ」を味わいにイル・パッパラルドさんに伺った。参加者は相川、成田、山内、鈴木の4名である。マルゲリータとマリナーラを2枚づつ注文し、ランチタイムを満喫させていただいた。
以下はピッツァイォーロの北村さんに伺ったお話である。北村さんはピッツァの魅力を静かに、しっかりと語ってくれた。以下はその記録である。忙しい中、騒々しい私たちの質問に答えてくれた北村さんに記して感謝したい。
ただし、「大切なのは自分の舌だ」、と北村さんも言っていた。ぜひその舌で本当のピッツァの味を楽しんでもらいたい。
ピッツァイオーロ(ピザ職人)北村憲始(きたむらけんじ)さん(34)のお話
(文責:山内)
ピッツァの焼き具合
- 窯(注1)は大きいので、温めるのに2時間から3時間半掛かる。
- 一枚平均1分くらいで焼ける。(実際に時間を測ってみると、三枚目のマルゲリータ(注2)は1分10秒で焼けた。チーズがのっているマルゲリータは、マリナーラよりも時間がかかるらしい)
- ピッツァは一枚ずつコンディションが違う。チーズを溶かすために、上側もあぶる事もある。
薪の量
- 一ヶ月に100〜120束。薪は結構大きめであるが、本当はもっと小さく切ってある方が良い。
ピッツァの修行
- 東京の店で焼き方を学んだ。サヴォイという店。一ヶ月くらい。
- イタリアのナポリには何回か行った。いろいろなピッツァを食べ、味を覚える事をしていた。
- ピッツァは、味見が出来ない。味見をしないままお客さんに出さないといけない。とても難しい。一枚一枚コンティションが違うし。
- ピッツァ作りに必要なものは、「体力」、「集中力」、「健康な体」かな。
- 毎日の体調を同じような状態に保っておかないと、同じ感じのピッツァが焼けない。体調管理をきちんとできないと駄目だ。
イル・パッパラルド
- イル・パッパラルドというのは、「大食漢」という意味。よく食べる人、大食らい、という事。
- 店は出来て7年目で、2002年12月1日にリニュアルオープンした。
- このピッツァは、昔の、古いナポリピッツァの味に近いかな。今のナポリのピッツァは…。美味しいけど、生地が少し変わってしまった。
- イタリアの人は、日本の中でこんなにピッツァが流行っているとは思っていないだろう。特に最近増えていると思う。
ピッツァへのこだわり
- チーズはナポリから輸入している。やっぱりチーズは大切。チーズが違うだけで、味がとても変わる。マルゲリータは、チーズが美味しいと本当にとても美味しくなる。チーズに味が左右される。
- 生地(注3)は、天候に左右されるので気をつけて作っている。
- 注1)
- ピッツァは窯で焼かれる。内部はドーム型で、ピッツァは床面に置かれる。窯の隅で薪を焚き、その熱が対流することで床と壁面が温まる。この輻射熱でピッツァはあっと言う間に焼きあがるのである。
- 注2)
- ナポリピッツァ協会が定めるところによれば、ピッツァ・マリナーラおよび、ピッツァ・マルゲリータの2種類のピッツァのみが「ナポリピッツァ」を名乗ることが許されている。これらのピッツァの特徴は以下の通り。
- マリナーラ
- トマト、にんにく、オレガノ、オイル、食塩による調味がなされた小麦粉生地の土台。
- マルゲリータ
- 生地の土台に、トマト、モッツァレラ、バジリコ、オイル、食塩による調味がなされた小麦粉生地の土台。
- 注3)
- 庶民のファーストフード、ピッツァの生地はいたってシンプルである。材料は小麦粉、水、酵母、塩の4つのみ。小麦粉は日本のもので十分だそうだ。
イル・パッパラルド
〒605-0932京都市東山区東山七条東入ルtel075-533-3330
営業時間 11:30〜15:00(LO.14:30)
17:30〜22:00(LO.21:00)
定休日 火曜日・第2水曜日(祝日前は営業)