京都ペレットと山のはなし
ここでは京都生まれの木質エネルギー「京都ペレット」と
山のお話をしたいと思います。
京都ペレットの作り方を見てみたい人は
工場見学のページをどうぞ!>>こちら
「京都ペレット」は原料も生産現場も
見て知ることができる地産地消のエネルギーなのよ。
ところで「京都ペレット」の原料って、
山に生えているどんな木を使うのかな?
主に間伐材を利用しているのよ。
間伐材って木の種類のこと?
間伐っていうのは木の種類のことではなくて
木を育てるために行う作業の名前なの。
人工林※施業では、まっすぐな太くて良い材を得るために
植林後10~15年間隔で、生育が悪かったり
曲がっていたりする木を伐り倒す、間伐という作業をするの。
そうすることで木と木の間に隙間があいて
山の中に太陽の光が差し込むようになるわ。
残った木は陽を浴びてより立派に成長することができるでしょ。
野菜でいうと間引き作業みたいなものだね!
そうそう、野菜の場合間引いたものを
「間引き菜」っていうけど、間伐の場合は
伐った木を「間伐材」って呼ぶの。
ふーん、間伐っていうのは仕事の名前だったのかぁ。
この二つの写真を見てみて。
左が間伐前の森で、右が間伐後の森。
間伐前 間伐後
わ!間伐前は森がまっくらだ!
そう、木が込み合って地面まで光が届かないの。
下草が育たないから、それを餌とする動物にも
影響を及ぼしているのよ。
最近増えているシカやイノシシの獣害の原因のひとつでもあるの。
森の中で餌が見つけられないから、
里まで降りてくるんだね。
あと、木は幹の高さの分だけ根っこも伸びる、と言われているの。
生長の過程で周りの木々との間隔をあけてやることは、
木々がしっかり根を張るためにも欠かせないこと。
充分に根が育たないことや下草の不生育は
山の地盤を軟弱にして、土砂崩れを起こりやすくしてしまうの。
ええー、間伐って大切な作業なんだね。
山がきちんと間伐されてないと僕らまで被害が及ぶんだ!
そうなの。
立派な木材を育成するためにも、山の環境のためにも
間伐は欠かせない作業なんだけど、
林業不振が続く今は木を立派に育てたところで
需要がほとんど無い状態。
昔は間伐材も工事現場の足場などに利用されていて
買い手があったのだけど、今は伐ったその場に
捨てられたままになっているわ。
手間をかけて間伐を行う‘意味’がとっても希薄になっているの。
だからと言って間伐をせずに放っておいたら
ますます悪くなる一方だよね。
「間伐をしない」という選択は
良い材を産出できないだけでなくって、
動植物の生態系、そして私たちの暮らしへも影響を及ぼすことになるの。
だから間伐材から木質ペレットを生産するということは、
林業が衰退する中にあっても、
間伐をやり続けるための方法として期待されているの。
製材所の廃材から作るのとは違って、
生の木から木質ペレットを生産すると
労力や手間がかかってしまうわ。
だけど、林業が少しでも活発になって、
山林地域に仕事が生まれることを願って
今京都市では木質ペレットの生産と利用を推進しているのよ。
そうかぁ。
地域の木から作られたエネルギーを
ぼくたちの暮らしのなかでどんどん使っていかなければいけないね。
- ※人工林
- 人の手により苗木が植えられ、樹木の生育が管理されている山林のこと。品種、品質が整えられ木材供給に適した樹木群となる。