木質ペレットって本当に環境にやさしいの?
木質ペレットが「環境にいい」と言われる理由の一つは
燃焼する時に発生するCO2は樹木が生長する過程で吸収したものだから。
化石燃料と違って、木質燃料は新たに大気中のCO2を増加させることはないの。
これをカーボンニュートラルと言うのよ。
でも木質ペレットを生産するための原料輸送や加工には
電力や化石燃料起源のエネルギーが使われているよね。
本当に木質ペレットCO2削減に役立っているのかな?
そこで、木質ペレットの原材料の生産から燃焼灰の処分まで
‘木質ペレットの一生’にわたって排出されるCO2を
計算して考えることが必要になってくるの。
このような製品の一生(ライフサイクル)にわたる環境影響を評価する手法を
ライフサイクルアセスメント(LCA)というのよ。
京都産の間伐材などから作られる「京都ペレット」の一生を
LCAを用いて調べてみましょう。
まずは京都ペレットの一生を見てみよう。
【京都ペレットの一生】
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育成・伐採
生産工場の近隣の山で行います
原料輸送
チェーンソーを使って伐った木を工場まで運びます
製 造
原料の「破砕」を行ってチップ状にします。その後、製造機でさらに「破砕」と「乾燥」を繰り返して含水率を下げ、高温高圧を加えてペレット状に成型した後、袋詰めされます。
製品輸送
京都市内の販売所や、直接お客様の所へ運びます。
燃 焼
ペレットストーブやペレットボイラーの燃料として使われます。
燃焼後
「灰」と「包装材」がゴミとして残り、それを処分するのにもエネルギーが必要となります。また、包装材は燃やすとCO2になります。
京都ペレットの一生におけるCO2排出量はこちら。
- 京都産木質ペレットのライフサイクルにわたる化石燃料起源の二酸化炭素排出量を工程ごとに見たものです。木質ペレット1MJあたりの二酸化炭素排出量は、約16g-CO2と試算されました。また、ペレットの製造が全体の約53%、チップの製造が約26%を占めました。ペレットの製造時には乾燥工程があるほか、高温高圧でペレットに成型するため、エネルギーを多く消費します。
- ペレットストーブやペレットボイラーの二酸化炭素排出量を他の暖房器具やボイラーと比較したものです。ペレットストーブを使えば、エアコンの約1/2、灯油ストーブの約1/4まで排出量を減らすことができます。木質ペレットは、燃焼時の排出量がカーボンニュートラルであることから、高い二酸化炭素削減効果があります。生産工程の効率化でさらに排出量を削減することが可能となるでしょう。
木質ペレットを一生にわたって考えてもCO2排出量が低いことがよくわかるね。
これで安心して木質ペレットを使用することができるかしら?
今後生産工程の効率化でさらにCO2を削減することを期待したいわね。
- ※京都ペレットのライフサイクルに沿って、エネルギー消費量等のデータを収集し、(社)産業環境管理協会のLCAソフトウェアMiLCAを用いて、立命館大学理工学部循環型社会研究室が試算いたしました。