生産者の紹介 vol.01
『ワシタカ工藝』
ヒノコとコラボした地元の杉を使った火鉢「ひばこ」が生まれた家具工房、ワシタカ工藝を訪ねてみました。
バスを降りてしばらく歩くと急に山の中に入り込んだような林道に出ます。京都市内とは思えない瑞々しい空気と、聞こえてくるのは川のせせらぎだけ。林道の途中に杉とひのきの家具工房「ワシタカ工藝」が現れます。この場所で地元のスギ・ヒノキを使った家具が作られています。
スギ・ヒノキは一般的に「柔らかくて頼りない、木目が目立ち落ち着いた感じがしない」という見方がされます。家具材としては敬遠され、代表の森 年弘さんも元々は家具の材料としては考えていませんでした。スギ・ヒノキを家具材として使い始めたきっかけは家具職人を目指して修業先の京北(京都市右京区)へ通っていた頃、毎日目にする三角だらけのスギ山でした。片道1時間の山道の至るところに植わっているスギたち。戦後の家屋復興のため大量に植えられたスギの人工林が使われる当てなく山に取り残されたままになっているのです。こんなにたくさんあるのに使わないのはもったいない。やがてスギ・ヒノキを使って、シンプルで丈夫な椅子を作り始めます。
もの作りをするならただ作るだけではなく意味あるものにしたいという気持ちがありました。「家具の素材として山に残されたスギ・ヒノキを使い、空いたスペースに広葉樹を植える」というサイクルを思いつきます。本来日本の山は様々な樹種が育つことで動植物や人間の暮らしとのバランスが保たれてきたからです。
そうした想いから「理想の森プロジェクト」という森づくりにも関わるようになります。元スギの人工林だった場所に毎春広葉樹を植えるという活動をしています。お客さんの中からも参加される方がいらっしゃいます。家具を通して少しでも山やスギのことを知ってもらえたら、と森さん。スギ・ヒノキの家具を使うことで、私たちも山に何か貢献できような気がしてきます。
工房の奥にあるワシカタショップは毎月2回OPENDAYがあり、実際に家具に触れることができます。また毎月25日には北野天満宮(京都市北区)の天神市へも出店しています。ぜひ皆さんも一度、ワシタカ工藝の心地よい椅子たちに座ってみてください。
ワシタカ工藝
京都市北区鷹峰桃山3-1
Tel/fax 075-495-0073
ホームページ:http://washitaka.com
*理想の森プロジェクトブログ:http://risoh.exblog.jp/
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