2006年10月10日(火)
本日の日記担当:松田,野瀬
車で約一時間、朝一で藤枝市にある富士鋼業さんへ。 富士鋼業さんは木材加工用機械から、廃棄物処理システムを手がける会社で、ペレット成型機「ペレタイザー」を見学させてもらいました。
受付でヘルメットをかぶり、工場の中を歩いていくと、奥に白くて四角い小型の機械が目に飛び込んできました。 ペレタイザーです! この成型機は世界の35%のシェアを誇っているドイツのメーカーのもので、国内のペレット工場にも何社か納められています。 生産能力が一時間に約100〜200kgと、約500〜800kgのものと2機種あります。
流れは、まず投入口に原料を入れ、集塵機を通り、コンベヤを流れ、振動スクリーンを通った後、ペレタイザーに到着します。フラットダイ方式といい、ペレットはローラが固定された円盤(ダイ)の上を旋回し、ダイとローラに挟まれ、石臼のようにすりつぶされます。そして、ものすごい圧力で穴の下へ押し出され、金太郎飴のように、次々とペレットベイビーが誕生していきます。この方式は、メンテナンスが容易であること、電力消費量が少ないことがメリットであるという説明もいただきました。
小型でトラックにも乗るので、ぜひ京都でもペレットづくりのイベントができればと願っています。所長様、お忙しい中ありがとうございました。
4日目の最後は静岡市内にある静岡製材協同組合へ行きました。個人的には1995年にも訪問したことがあり、どのように変化したのかを自分の目で確かめる機会になりました。工場長の杉山敏允さんによると、主な事業は組合員から集めた木くずをリサイクルすることで、究極的にはゼロエミッションを目指すとのことでした。
組合の製品には、メインの製紙用チップのほか、オガライトやセルシン(気流乾燥したオガクズ)などがあります。オガライトはかつお節の燻煙や家庭用の風呂燃料、セルシンはバイオトイレ(消臭剤)や使い捨てカイロの増量剤などとして使われています。オガクズは燃料としての使われなくなり、一時期は安倍川の河川敷で焼却処理するほどでしたが、10年ほど前に調べた当時、100%近く有効利用されていました。
問題は当時から処分に困っていた樹皮(バーク)です。組合では直接燃焼方式の木質バイオマス発電施設を2004年8月に建設・運用しています。原料投入、ボイラー、タービンなど説明を受けながら施設をひととおり見学しました。電気は自家用のみで、売電はしていないこともあり、メインはあくまでバーク処理だと思われます。
今回は久々に組合を訪れて木くずを調べていた当時の記憶がよみがえってきました。 10年前の調査では廃棄物といっても、需要先が見込めないのに有効利用することに疑問を提示したのですが、基本的な考え方は今も変わっていません。より扱いやすい廃棄物をより低いコストで利用する仕組みづくりをバイオマス以外も含めて考える必要が高まっています。