バイオマス・薪炭名言集
ことわざや格言などの中で、薪炭にまつわる名言を集めてみました。
参考文献
大修館「漢文名言辞典」
大修館「大漢和辞典」
講談社「カラー版日本語大辞典」
小学館「故事俗語ことわざ大辞典」
HIBANA
●小さな火花はしばしば大きな炎を起こす
The small sparkle often initiates a
large flame.
「蛾の火に赴くが如し」愚かな者が利欲を貪るたとえ。
愚かな人間が我が身の滅ぶのも省みずに利欲を貪る様子は、蛾が火に身を投じて死ぬような者だという意味。火花には、蛾やひとりむしという意味もあるそうで、火を花だと思ってひとり飛んでくる虫ということです。
蛾が火を花だと思っているかどうかはわかりませんが、火の持つ魅力は上思議ですね。
Hibanaは、バイオマスで地域社会を元気にする、人を幸せにする大きな炎を起こす、そんな会社になることを目指します。
Hibanaに集まってくるひとり虫はまだ数匹。これからはもっと多くの仲間が集まりますように・・・。
薪
●薪は三度人を暖めてくれる
アメリカのことわざで、一度目は薪を集め薪割りをすることで、二度目は薪を燃やすことで、三度目は薪を燃やして作った料理を食べることで暖まるという意味。そしてもし四度目があるとしたらそれは、薪を囲む人の心を温めてくれるもの。
●古びた薪ほどよく燃える。古い友人ほど信用できる。古い本ほど読みごたえがある。
ヘンリー・F・アミエル(スイスの哲学者)。
よく乾燥した薪ほどよく燃え、燃焼カロリーは古びても落ちないそうです。物も言葉も、時代の流れに耐えて長く残っているものほど価値があるものです。
古びた薪ほどよく燃える。古い酒ほど味がよい。古い友人こそ信用できる。そして、古い著作ほど読みごたえがあるとも言います。
●薪に花
薪は、飾り気のない粗野なものだが、花を添えることで粗野な中にも、やさしさを表すことができるというたとえ。
●松柏(しょうはく)は摧(くだ)かれて薪と為る
松や柏(コノテガシワ)のような数百年の寿命を持つ常緑樹でさえも、やがて砕かれて薪となってしまう。この世に上変なものは何もないというたとえ。
「文選」
去る者は日に以て疎く、来たる者は日に以て親し。郭門を出でて直視すれば、但見る丘と墳とを。古墓は犂かれて田と為り、松柏は摧かれて薪と為る。白楊には悲風多く、蕭蕭として人を愁殺す。故の里閭に還らんことを思うも、残らんと欲するに道の因る無し。
訳
死んでしまった人は忘れられていくばかりだ。生きている人は日ごとに親しくなっていく。町の城門を出て郊外に目を向ければ、かなたの丘とその下に土墳が見えるだけだ。
しかも古い墓は耕されて田になり、その土墳も跡形を止めず、墓の辺に椊えられていた松柏も薪になってしまったらしい。白楊の葉をさらさらと裏返して悲しげに鳴らしながら過ぎゆく風は、さむざむとして魂の底まで食い入る。それにつけても故郷にもどりたいと思うのだが、流離落魄した身の帰るすべがないのをどうしよう。
●薪を抱きて火を救う
「戦国策」。
薪を抱えて、火を消しに行く。災害を除こうとして、却って被害を大きくするたとえ。
●薪尽きて火滅ぶ
薪が燃え尽きて、火が消える。人の死ぬことのたとえ。
●臥薪嘗胆
堅くて痛い薪の上に寝て、苦い肝を嘗める。敵を討つために長い艱難辛苦に耐えること。
また、将来の成功のために自分自身の身を苦しめ志を励ますたとえ。
中国の春秋戦国時代、呉と越という二つの国が争い、敗れた呉の王子は父の復讐を誓って毎夜、薪の上に寝て、また、人に命じて「おまえの父が越に殺されたのを忘れたか」といわせました。このように艱難辛苦を重ね、ついに越を討つことができました。敗れた越王は、和睦を許され国に帰ることができましたが、苦い肝を寝起きするごとにそれを嘗めて「おまえは呉に敗れた屈辱を忘れたか」と言って復讐の念をかき立て、やがて呉を滅ぼし宿願を果たしたというたとえに基づく話。人間努力が必要だと言うことです。
●薪桂米金 (しんけいべいきん)
貧乏のために薪や米さえ買うことができず、本来安い薪は高価な桂の木のごとく、米は金のように貴重なものであるというたとえ。
●食は玉よりも貴く、薪は桂より貴し。
「戦国策」。
世の中で生活していく上で、実際に役に立つのは宝石より食べ物であり、桂の木より薪である。実際には、実用的なものが貴重であるというたとえ。
●薪を均しくして火を施せば、火は燥(そう)に就く
「均薪施火 火就燥」「荀子」。
薪を平均にして火を近づけると、火は乾いた薪から就く。人間の幸上幸はその人の徳に基づいて訪れるものであるたとえ。
●薪を積むが如く、後来者上にあり
如積薪後来者在上
薪を積むときは、後から取った薪が上になる。人を用いるときに新参者を重く扱い、昔から尽くしてくれた人をおろそかにすることを非難することのたとえ。
●采薪(さいしん)の憂い
「孟子」。
病気で薪をとりに行く元気もないという意味で、自分の病気を遠回しにいうことば。
●正宗で薪を割る
日本刀の吊刀である正宗で薪を割るようなもので、目的を果たすために適切な方法を用いていないというたとえ。
「鶏を割くに焉んぞ牛刀を用いん」「大根を正宗で切る」などと同じ意味です。
●薪に油をそえる
燃えている薪に油を注ぐとさらに火の勢いが増すことから、勢いのあるものにさらに勢いをつけるたとえ。
「駆け馬に鞭」「火事場へ硝煙」「薪に油をそえる」「吠える犬に嗾(けしか)ける」「油をもって火を救う」「飛脚に三里の灸など」と同じ意味。
●霊魂なるものは火なり。
肉体は薪なり。薪尽きて火滅す。
かくのごときのみ
「人間臨終図鑑」。山田風太郎著。
●何が何でも出塁する選手、着実に送るヤツに大砲と、様々なタイプが並んでこそいい打線になる。太い薪ばかりそろえて、種火となる選手がいない巨人。太い薪だけで火は付かぬ。
野球評論家 豊田泰光氏。
●敗者は灰となって消えてしまう。勝者は炭となって残る。
マレーシアのことわざ。
●薪を秤(はか)って炊ぐ
炊事をするのにいちいち薪を秤って用いるように、あまり細かすぎることのたとえ。
些細なことに力を用いすぎて大事を成し遂げられないことのたとえ。
●火を抱いて薪に臥す
ますます危険になることのたとえ。
●足を薪にする
足を折って薪にしてでもというたとえ。
●うぶの薪に、下女の迷惑
生木の薪は燃えにくく薪にしにくいという意味。
炭
●火種の置き方は、夏は炭の下に・冬は炭の上に置くと良い。夏下冬上のことわざ。
夏は火を見せないように火種を置き、冬は暖かさを感じられるように火種を炭の上に置く心遣い。
●雪中送炭
雪に閉ざされたところで困っている人たちに、暖を取るための炭を送ることで、転じて相手が困っている時に援助すること。
●氷炭相容れず(ひょうたんあいいれず)
氷と炭火は一緒に置いておくことができない。性質が異なり互いに受け入れられず調和しないという意味。
●茶は朊のように点て、炭は湯のわくように置き、冬は暖かに夏は涼しく、花は野の花のように生け、刻限は早めに、降らずとも雨の用意、相客に心せよ
千利休。
お茶のおもてなしの心を表す言葉としてよく使われる。一期一会、大切な出会いをいかしていけるように努力していきたいですね。
●屏風、畳に 炭油
世帯を持って新婚生活に必要なもの。
●炭のくべたて婿逃げる
炭のくべたては寒いので、婿も寒さを避けて逃げ出すというたとえ。
●炭を抱(いだ)きて涼を希(ねが)う
炭火を懐中にして涼しいことをのぞむ。自分の行いと望むところが相反するたとえ。
自分に徳もなく十分に信用されるものを持たないのに、信用されることを望み、自分が猜疑心(さいぎしん)を持ちながら相手には自分に親しむことを望むのは、水を身につけて暖かくなることを求め、炭火を懐中にして涼しいことを望むこととどうして異なろうかという孫盛の言葉に基づくもの。『魏志』。
●塗炭(とたん)の苦しみ
「孟子」。
「塗」は泥、「炭」は火のことで、泥や火の中にいるようなひどい苦しみのこと。