日本の森といまの木地師の器
『ロクロ体験イベント』で木の器を作る
ヒノコではどなたでも参加できる体験イベント「ロクロでつくる木の器」を定期的に開催しております。木地師による説明に始まりお一人ずつ教えを頂きながら実際にロクロで削る体験です。また数回の個人実習により、ひとつの完成品を持ち帰り出来る会も予定しております。尚、器は木本来の美しさを生かす無垢の仕上げとなります。一般の方のロクロ体験はめったにありませんので、ぜひトライしてみて下さい。
木のお皿はなぜ環境によいの?
○木製品は「炭素の缶詰」
地球温暖化の原因のひとつになっている二酸化炭素(CO2)。その大きな吸収源として森林が注目されています。木々は光合成によって大気中のCO2を吸収して成長します。吸収されたCO2は炭素として樹体に取り込まれ、幹や枝葉を形成します。木が伐採され、加工されて木製品になっても炭素は木の中に蓄えられたまま。そのため木製品は「炭素の缶詰」と言われています。身の回りに木製品が増えるほど、大気中のCO2を減らすことになるのです。
○比べてナットク
木製品は廃棄の際にもCO2を出さない資源だと考えられています。それは燃焼時に排出するCO2はその植物が生長する過程で吸収したCO2と等量であるという考え方(カーボンニュートラル)から、長い視点で見たときに大気中のCO2総量を増やしません。木製品をプラスチック製品と比べてみると、生産から廃棄まで一生に渡りCO2排出量が少ないという結果が出されています。
木のお皿とプラスチック皿における材料の生産過程と廃棄時のCO2排出量を比較してみました。
表2 MiLCAにより算出したCO2排出量原単位
プラスチックの種類にもよりますが、木のお皿はプラスチック皿に比べてCO2の排出量が1/5以下にとどまっています。
詳しくはこちらをご覧ください。(PDF:129KB)
○木を使い続けることはCO2を削減する
石油からできた製品(プラスチック、合成ゴム、アスファルトなど)は、使ったあとに再使用や再利用することはできても、資源そのものを再生産することはできません。木から生まれた製品は再使用や再利用できるのはもちろん、「木」そのものを森林から再生産することが可能な資源です。森に生えている木を伐って利用し、その伐採地に苗木を植え、育て、また伐って利用するというサイクルを回すことは豊かな森林を維持することにつながります。高齢な木ばかりが植わった森はCO2を吸収することができません。今植わる木々を暮らしのなかで活かすと同時に若い木を育て、木を利用し続けることがCO2削減に大いに貢献するのです。
○身近にある木を、長く使うほど
木製品に蓄えられた炭素は廃棄して燃やされるときまでずっと、なかに閉じ込められたままです。ですから、ひとつの木製品を大切に長く使うほどCO2削減に効果があります。また同じ木製品でも、外国の木から作られたものではなく国産材のものを選べば原料の輸送時に排出されるCO2削減にも役立ちます。身近に植わる木から作られた、お気に入りのお皿を見つけて、毎日の食卓でたのしく使い続けること。そんな、ひとりひとりのちょっとした選択が地球温暖化防止につながっていきます。