導入事例レポート
ペレットを燃料に石窯でパンを焼く。全国でも珍しいパン屋さんが、京都の中心地にあります。ペレット石窯で焼くからこそ、のおいしさがいっぱい詰まったパン。一体どんな風に焼き上げているのかを教えてもらいました。
■パンスケープ二条駅前店
毎朝全粒粉を挽いて自家製粉し、「焼きたてはもちろん、翌朝に食べても味わいのあるパン作り」を大切にした商品作りを心がけている。2010年9月からペレット石窯を使い、香ばしく焼き上げた、天然酵母のカンパーニュ作りを得意としている。
■パンスケープ
■住所:京都市中京区西ノ京職司町19-3
■TEL:0771-54-7831
■E-mail: info@panscape-kyoto.jp URL: http://www.panscape-kyoto.jp
ペレット石窯を使われることになったキッカケを教えてください。
近所にある飲食店「カフェパラン」と親交があり、2009年、ここで初めてペレット窯を見ました。2010年にパランさんではもう使わないと、譲ってもらえる話が出て、興味もあったので使うことになりました。
ペレットについてご存知でしたか。
窯を通じて知りました。それまでは知らなかったです。
ペレットを燃料に焼いているパン屋さんは、全国でも珍しいですね。どのような窯なのでしょうか。
元エンジニアで石窯パン研究家の竹下晃朗さん(京都市左京区在住)が作られたものです。
竹下さんからも、「パンを焼くなら絶対においしく焼けるから、石窯を使ってみるべき」と薦められました。
手動で着火するのですか?
電気式です。窯の左下に燃料タンク、操作板、外付けのモーターがあり、ここでスイッチを入れて温度調整も可能なんです。燃料タンクにペレットを入れると、燃料が自動供給され、外付けのモーターが回り、自動着火します。
窯の中の温度はどれくらいまで上がるのですか。
220度くらいまで上がります。2段になっていますから、焼き加減に応じて、上段、下段を使い分けています。
ペレット窯の使い方は難しくないですか。
温度調整もできますし、思ったより操作が簡単でした。
実際にパンを焼いてみて、いかがでしたか?
私は大きなパンを焼くのが一番好きなのですが、普通の窯では、とくに大きなパンの場合、生地の水分を充分に残して焼き上げるのが難しいと感じていました。でも初めてペレット石窯で大型のパンを焼いてみて、初回から水分を適度に残しておいしく焼けたので、満足しました。
これまで使われていた窯よりおいしく焼けるのですか。
大きなパンは窯を高温に設定して、短時間で一気に焼き上げる必要があるんです。同じ設定で焼いた場合を比べてみて、石窯のほうがあきらかにおいしく焼けたと思います。パンの表面にもきれいな小麦色が付くのも気に入っています。
窯を使ってみて、トラブルなどはありませんか。
使う前に聞いていたとおり確かに煙もほとんど気にならないですし、とくにトラブルはありません。
パンは1日どのくらいの時間焼くのですか。またペレットの使用量はどのくらいですか。
週1回の休みを覗いて、毎朝6時頃からパンを焼き始めます。10時の開店時間に合わせてひととおりのパンを焼き終わり、その後は、日によって時間は少し異なりますが、午後13時ごろに2回目を焼きます。このときには棚の状況を見て、追加するパンを焼く作業となるので、焼く時間は1~2時間程度。このような使用時間により大体1日で10k1袋~3袋を消費しています。
ペレットは扱いやすいですか。
扱いやすいが、思っていたよりたくさん使いますので、常に意識して、無くなってしまわないよう燃料を確保するのが大変です。置く場所があまりないので、なくなる前に買いに行くようにしています。
お客様の反応はどうですか?
店を入った正面に窯があるし、ガラス張りの店外からも見えるので、「この石窯はどんな窯ですか?」と聞いてくるお客様も多いです。時間があれば、ペレットを使っていることを説明します。珍しい、面白いと言って、窯の写真を撮って行かれる方も。オープン時期が9月だったので、まだ暑い時期ということもあり、「この店は暑すぎる!」と指摘を受けることもありました。確かに窯は熱気がすごいです。しかし、パンを焼いている様子も見ていただけますし、喜んでくださる声の方が多いと感じています。なにより「おいしい」というお客様の声も増えたのが嬉しいです。