導入事例レポート
京北くろだ 里の駅プロジェクト
2009年、京都市右京区京北にペレット製造の大規模工場が誕生しました。その8年後の2017年春、ついに京北で初めて個人宅向けペレットボイラーが導入されました。
■設置場所
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京北くろだ 里の駅プロジェクト 拠点
「地域活性化」「移住・定住の促進」「田舎暮らしや日本の食文化に関する知恵の伝承」という3つの目的を掲げるプロジェクト。オーナー一家も移住者であり、地域の内と外のふたつの視点を持ってプロジェクトを運営されいます。住居兼カフェレストラン開業予定の築150年の古民家にペレットボイラーが設置されました。
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■住所
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〒601-0405 京都市右京区京北下黒田町鶴野45番地
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■URL
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http://kuroda-satonoeki.jp/
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■機種
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オコフェン社(オーストリア)「PELLEMATIC PE(S)10」
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■用途
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給湯、風呂、床暖房
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■導入時期
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2017年5月
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Q1:ペレットボイラーを導入された経緯を教えてください。
- 私たち5人家族が移住してきたこの住まいは、元郵便局として使われていた築150年の古民家です。この地区はとても寒いと聞いて薪ストーブの導入はすぐに思いつきましたが、ペレットに関しては1年前までは全く知識がありませんでした。京北という町は93%の森林面積を持ち、昔から林業の町であったためペレットや薪の生産者が多くいることを知りました。ぜひ、地元京北産のバイオマス資源で沸かしたお湯を給湯や床暖房に使ってみたい!という想いから導入に至りました。
Q2 導入に関して費用の面など、戸惑いはありませんでしたか?
- 費用の面では京都府の移住補助金や京都市の補助金(設置費用の2/3が補助される)を利用することができました。そして、何より20年30年後も今と同じように化石燃料を使っていけるのか、と考えたことが大きかったです。これまで何気なく電気、ガスで沸かしたお湯を使ってきましたが、森林資源の豊富な街に暮らし始めることをきっかけにエネルギーの地産地消に取り組んでみたい、と決心しました。
Q3 導入した機種はどのようなものですか?
- オーストリアのオコフェン社のもので家庭に設置する一番小型のサイズです。日本では一般家庭での設置が第一号となりました。給湯・シャワー・お風呂・床暖房・パネルヒーターなど、温水を利用する熱源であれば使用可能です。私たちが導入したタイプは自分でタンクにペレットを投入して使います。本場オーストリアでは約1m×2mのサイロに1年分のペレットを入れておくことができ、携帯電話からコントロールすることが可能なのだそうです。設置作業は設置場所が狭いという事もありましたが2日間で終了しました。年に一度クリーニングが必要です。
Q4 実際に使用してみていかがですか?
- 使い始めて1カ月くらいですが、給湯とお風呂に使っているペレットの使用料は1カ月で50キロぐらいでした。冬場はどれくらいの量になるかはまだわかりません。ボイラー設置完了後に「ペレットボイラー見学会」を実施しました。まだまだ認知度の低いペレットボイラーを多くの人に知ってほしいと思っています。これからも使用感をWEBなどで発信していきます。
Q5 電気やガスと比べて不便に感じる点やデメリットはありますか?
- 使用感に関しては、設置会社からの説明を聞いただけではメリットの方を多く感じました。分からないこともあるけど、とにかく一度使ってみよう!というわくわくする気持ちになりました。ただ導入費が大きいことが一番のネックかと思います。補助金がなければ厳しいと感じます。
化石燃料に比べて瞬発力が無くスイッチを入れてからゆっくり温まるため、今は使用時間を考えながらボイラーのスイッチを入れています。例えば6時にお風呂に入ろうと思えば、3時にスイッチを入れるという具合です。基本的には24時間付けっぱなしでも自動コントロールしてくれるそうなので、冬場はそのように使ってみたいです。
あと、ペレットを自分で投入しなければいけないことがデメリットとしてありますが、環境にやさしい燃料を使っているという喜びの方が勝っていると感じています。
↑導入完了後に「ペレットボイラー見学会」を開催して多くの人達が集まった
↑和室横の部屋が床暖房で暖められる